家紋は今日まで息づいている日本固有の文化であると言っていい。「源平藤橘(げんぺいとうきつ)」と呼ばれる源氏、平氏、藤原氏、橘氏といった強力な氏族が最も名を馳せていた時代、地方に移り住んだ氏族の一部が他の同じ氏族の人間と区別を図るため土地の名前などを自分の家名(屋号)とし、それが後の名字となった。家紋は家の独自性を示す固有の目印的な紋章として生まれ、名字を表す紋章としての要素が強い。
その後、武家や公家が家紋を使用するようになり、血統や元々の帰属勢力としていくつかのグループに大きく分けることができ、それぞれが代表的な家紋とそのバリエーションで構成される。その他、各地の豪族がそれぞれ新たに創作した家紋が現代まで伝わっているものもある。
特別な紋章や場合を除いて、家紋を幾つも所有することは自由であったこともあり、墓地や家具、船舶にまで付けられるほどまでに広まる。家紋は人々の暮らしに息づいていた。刀や甲冑といった武具にも、好んで使用されていた。しかし家紋の使用に制限はなかったと言うが、他家の家紋を無闇勝手に使用してはそれなりの軋轢や摩擦が生じる。特に大名や将軍などの、地位の高い家のものとなれば尚のことであった。そのため、他家の定紋は出来るだけ配慮して使わないこととする暗黙の了解があったとされる。
*家紋楽引アプリは日本の代表的な家紋2827点を収録しました。
*類別、または五十音別で検索することができます。
*好きな家紋を「お気に入り」に追加することができます。